書籍・雑誌

2009年6月20日 (土)

マンガ「フルーツバスケット」

「フルーツバスケット」ー高屋奈月ーを結構何度も読んでいる。
ただの少女漫画と思いきや、すいぶんさくっと深いところまで切り込んでいるマンガだ。

ただ、読むたびにいつも思う。
登場人物は、哀しい・さびしい・などの思いを存分に味わっている。
あますことなく。
その切なさがひしひしと伝わってくるかのように。
そしてそれを時間はかかっても乗り越えてゆく。

その姿はとても美しく気高く見える。

だって、私はつらい時、しんどい時、哀しい時、さびしい時、記憶をなくして何も感じなくしてしまう。
そうして40数年間生きてきた。

今までのすべてを全部感じ取っていたら、今の私は変わっていただろうか?

記憶をなくしてしまうなんて、私は弱いんだろうか。

生きる力が乏しいのかもしれない。
いいように考えれば、私はまともすぎて記憶をなくしてしまわなければ生きて行けないのかもしれない。

マンガの主人公たちは、どれだけ脆弱に描かれていても
私から見ればとても強い。

うらやましい。私も現状を受け入れる強さがほしい。

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2008年6月 9日 (月)

懐かしい私の「南の魔女と島」

[西の魔女が死んだ] ブログ村キーワード

梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」という小説が映画化された。

この小説を読んだときに、
生まれたときから異文化体験かよ!?マジ、うらやましっ!
・・・・と、思った。

ヨーロッパの香りがする生活。
西洋の草花たちをたくさん育てて、食事に洗濯に使い、
日本ではない暮らし方で、
当たり前のように日々を紡いできた西の魔女。

憧れた。私がその孫になりたかったよ。

でもね。

今日、他の人のブログで
「西の魔女が死んだ」の試写会を見た、

という記事を読んだとたん、
私にも、魔女がいたことを思い出したthunder

西じゃなく、南だけど。
国としては、日本と言えば日本なんだけどcoldsweats01

でも、私にとっては外国に等しかった。
小さな時から異文化体験していた。

琉球という外国の文化だ。

だが、沖縄ではない。
一応、鹿児島県だ。沖永良部島(おきのえらぶじま)という島だ。

鹿児島県なんだけど、限りなく沖縄に近いので、
琉球文化がこの島の文化である。

島に着いたら、赤土独特の匂いがする。
叔父、なんか匂いする、と言ったら、
そりゃ肥えの匂いやろ~なんて笑われたけど、
あれは土の匂いだ。

とてもとても、いい匂い。どこもかしこも。

ところで、言葉は島独自のものだ。
沖縄いわゆるウチナーグチとはちがう。

でも、外国語。
さっぱりわからん。
島の人たちは共通語もしゃべれるので、
大人も子供もバイリンガルである。

カッコイイ。

西の魔女はひとりで静かに暮らしていたけれど、
私の、南の魔女は、大家族で暮らしていた。

祖父・祖母(南の魔女)・次男夫婦とその子供3人。
牛2頭・にわとり数羽・・・。
庭にはモンキーバナナの木。

おまけに、誰かが帰島したーと言っては集まり、
葬式だー、結婚式だー、年の祝いだー、などなど、
なにかと理由をつけては、わらわらと人が集まる。
2~30人はいつも来ていただろうか。

ふすまを全部取っ払って、広間の真ん中は空けて
お膳が周りへぐるりと並べられる。
みんなはお膳を前に、どっかと座り込んで、飲み食いを始める。

酒は黒糖焼酎。

そのうち、誰かが謡うともなく謡いだす。

すると、
床の間のそばの人が三味線を出し、人から人の手を経て、
三味線を弾くのがうまい人に回ってくる。

三味線はいつも床の間に立てかけてある。

沖縄では皮にニシキ蛇の皮をつかう蛇皮線(じゃみせん)だが、
沖永良部島では、紙の皮を使う。

まず、三味線に紙を張る。
次に、芭蕉という木の根元を切って出てくる液(渋いらしい)を、
三味線に張った紙に塗って乾かし、
また紙を張り、液を塗っては乾かし、
・・・と紙を12~3枚張って仕上げるらしい。

このやりかたを「しぶばい」と言うそうだが、
今ではもう、職人さんがいなくて、
しかたなく、沖縄の蛇皮線を使っているそうだ。

母のお兄さんから、
上記(永良部の三味線)のことは教えていただいた。
感謝。

さて、三味線が鳴り出すと、今度は踊りだ。

歌は、いろいろ。
島独自の曲もあるし、沖縄民謡も出る。
郷愁ただよう、ゆったりとした曲からはじまるが、
宴席が盛り上がるにつれ、テンポの速い曲になる。

みんな、めっちゃ楽しそう。

でも、これも全部、わたしには意味はわかんない。
酔ったら、みな外国語だけでしゃべるし。

共通語なんか全然使ってくれない。

誰かが何かを言って、みんな、ドッと大笑いしてる。
でも、私にだけは、わかんない。

そんな時、南の魔女は、いつもそっと、私を呼びにきた。

魔女は家の隣で、店を出していた。
小さなバラック小屋だったけど、
置いてあるものは、やっぱり外国製品だった。

今から思えば、英語で書かれたピーナッツの缶詰。
同じくコンビーフ。

家の近くの駄菓子屋では見たことのない、
カラフルなお菓子たち。

子供心には、うん、ここはやっぱり外国。
ここに来るまで、とても時間がかかったし。
・・・と納得するのに十分だった。

もちろん、なじみの菓子パンなんかもあるし、
日用品も置いてある。
そんな何でも屋、なんだけど。

不思議な異国の店に見えたんだよな、これが。

おまけに、魔女は、そこに私ひとりを置いて、こう言うのだ。

「好きなもの取って、ゆっくり食べたいだけ食べていいよ。
                   食べ終わったら戻っておいで。」
と、優しくほほえんで。

怖い、お菓子の家じゃない。
優しい魔女のいる、お菓子の家だった。

魔女は、いつも白髪まじりの髪の毛をまとめていたけど、
時々、ほどいて髪を梳いているのを見た。
量こそ少ないけれど、長い長い髪の毛を
大事に大事に梳かし、またきれいにまとめ上げていた。

その時に使う油かな。いい匂いがしてた。
その匂いは大好きな匂いだった。

おばあちゃんなのに、とても女っぽくて、
子供心にまぶしかった。

南の魔女はもういない。
島もいろいろ変わり、あんな宴会はもうそんなに
開かれないとか。

謡う人もいなくなったらしい。
なにより昔の三味線がない。

心の中にキレイな思い出、として残っているだけ。
約束はしなかったけれど、南の魔女も、帰ってくるかな?

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